GPU版 tensorflowをセットアップ①(Cuda ToolkitとcuDNN)

今回はtensorflowのセットアップを紹介していこうと思うのですが、GPU版のtensorflowを使う為にはCuda ToolkitやcuDNNのセットアップを行う必要があります。

そこで今回はtensorflowをセットアップする前段階、Cuda ToolkitとcuDNNのセットアップを紹介していきます。


なお、CPU版のtensorflowはそのまま、pythonのバージョンを合わせてインストールで特に問題ありません。しかしGPUを使ったtensorflowはセットアップがちょっと厄介。

何が厄介なのかというと、GPUのドライバーのバージョン、CUDA toolkitのバージョン、それをコンパイルするソフトのバージョン、cuDNNのバージョンすべてが揃わないときちんと動作してくれません。

そこで、今回はGPUの確認からcuDNNのセットアップまでの紹介をしていきたいと思います。


セットアップの流れ

セットアップの流れです。以下の流れに沿ってやっていきます。

  1. GPUの確認
  2. GPUドライバーのバージョン確認
  3. GPUドライバーのバージョンにあったCUDA toolkit、cuDNNのバージョンを確認
  4. CUDA toolkitをコンパイルするソフトの確認
  5. CUDA toolkitをインストール
  6. cuDNNのインストール

の順に進めていきたいと思います。


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GPUの確認

まずは、GPUの確認です。ご自身のPCに入っているGPUは確認しなくても分かっていると思われますが、念のため。

画面左下の検索ボックスに

”dxdiag”と入力するとDirectX診断ツールが開きます。

そのディスプレイタブを選択すると、現在お使いのGPUが表示されます。

ここに記載されているのが、ご自分のPCに載っているGPUです。なお、複数枚GPUがある場合は、ディスプレイタブが2個ある場合もあります。


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GPUドライバーのバージョン確認

GPUのドライバーのバージョンの確認をします。

まず、NVIDIAのドライバダウンロードのページに行きます。

そこに先ほど調べたGPUの情報を入力していきます。そして、検索をクリック。

そうすると、ドライバのバージョンが確認できます。また、ドライバは日々更新されていますので、再度ダウンロードしてインストールしておきます。

今調べたバージョンと、ご自身のPCのバージョンがあっていないとCUDAや、CuDNNの互換性がずれてしまうかもしれないので、ダウンロードしてインストールしておいてください。


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GPUドライバーのバージョンにあったCUDA toolkit、cuDNNのバージョンを確認

つづいて、GPUのドライバとCUDA、cuDNNの互換性の確認です。

まずは、ドライバーとCUDAの互換性の確認です。

CUDA Toolkit Documentationのページに行きます。

ページを少し下がるとドライバーのバージョンとの互換性が確認できます。

私の場合、ドライバのバージョンが”461.09”だったのでCUDA Toolkitのバージョンは”CUDA 11.2.1 Update1″が対応していることが分かります。

このCUDA Toolkit のバージョンを覚えておきましょう。

続いて、CUDA ToolkitのバージョンとcuDNNのバージョン、CUDA Toolkitをコンパイルするソフトの確認です。

tensorflowのホームページに行きます。

そこで、上のインストールをクリック

左側に「windows」とありますので、それをクリック。

画面をスクロールしてページ中央ぐらいまで下がると、まずCPUの対応表がでてきて、その後にGPUの対応表が出てきます。

一番右側のCUDAのバージョンと先ほどしらべたバージョンを確認します。

私のGPUバージョンでは”11.2.1 Update1”とのことでしたが、表にはありません。

その為、”11.0”をインストールすることにします。その場合、cuDNNのバージョンは”8.0”、コンパイラは”MSVC2019”となり、Pythonのバージョンは3.6~3.8が対応。tensorflowは2.4.0が対応していることが確認できます。

なお、ビルドツールとして「Bazel3.1.0」とありますが、これはcuDNN

をビルドするツールですが、ZIPファイルとしてダウンロードできますのでここは無視して大丈夫です。

ここまでくれば、後はそれぞれインストールしていくだけです。


CUDA toolkitをコンパイルするソフトの確認

まずは、CUDA Toolkitのコンパイラをダウンロードします。コンパイラとはプログラムをコンピュータが分かる言語に変更するプログラムとなります。CUDA ToolkitはC++という言語で書かれているようです。C++はコードを書いて実行する時にはコンパイルする必要があるのですが、CUDA Toolkitも同様にコンパイルする必要があるようです。

そのコンパイラはVisual Studioに含まれています。”MSVC2019”とはVisual Studio2019をインストールすれば完了です。カスタムインストールでコンパイラだけインストールする事もできますが、面倒なので丸ごとインストールしてしまうことがお勧めです。もし、ご自分の対応しているものが”MSVC 2015 Update 3”であればVisual Studio2015 Update 3をインストールします。

インターネットで”Visual Studio 2019 ダウンロード”と検索し以下のページに行きます。

Visual Studio 2019の”コミュニティー版”をダウンロードしてインストールします。

インストールの際に気を付けることがあります。

”C++によるデスクトップ開発”にチェックを忘れないでください。

もし忘れてしまったら、コントロールパネルから”プログラムと機能”からVisual Studio2019を選択して”変更”から再度設定することが出来ます。

インストールが完了したら今度はCuda Toolkitのインストールに入ります。


CUDA toolkitをインストール

CUDA Toolkitダウンロードのページに行きます。

「Cuda Toolkit」のダウンロードをクリックします。クリックすると最新のバージョンのダウンロードページとなります。たのバージョンをダウンロードする場合は下の「Archive of Previous CUDA Releases」をクリックします。

今回、私はバージョン”11.2.0”をダウンロードしました。

ダウンロードページではOS、概要、のバージョン、インストールタイプを選択します。インストールタイプはファイルをダウンロードしてからインストールする場合は”exe(ローカル)”を選択し、ダウンロードしないでインストールする場合は”exe(ネットワーク)”を選択します。ローカルの方がお勧めです。

ダウンロードが終わって、インストールです。こだわりが無ければデフォルトで。

そのまま流れにそってインストールを続けていきます。

インストールオプションは高速で行いました。

インストールが完了したら、次はcuDNNのインストールです。


cuDNNのインストール

cuDNNのダウンロードのページに行きます。

「Download cuDNN」をクリックすると アカウントの登録が求められます。

初めての方は「Join now」をクリックします。

何個か質問に答えるだけで終了です。

ログインします。

「I Agree To the Terms of the」にチェックを入れます。

以前のバージョンをダウンロードしたい場合は下の

Archived cuDNN Releases」をクリックします。

cuDNNのバージョンを選択する際に、CUDA Toolkitの対応バージョンも書いてありますので確認してからクリックします。

ダウンロード前に、再度CUDAの対応を確認しwindows対応のファイルを選択します。今回、私はcuDNNのv8.1.0の”cuDNN Library for Windows (x86)

をダウンロードしました。

ダウンロードが完了したら、ファイルをデスクトップに解凍しましょう。

解凍したフォルダ内には「bin」「include」「lib」の3つのフォルダが出来上がります。

それらフォルダの中身をCuda Toolkitのフォルダにコピーします。

Cuda Toolkitのフォルダはデフォルトでインストールしているのなら

C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.2

なお、最後の「v11.2」はご自分がインストールしたバージョンとなります。

ここまででCuda Toolkitのセットアップから、cuDNNのセットアップまでが完了しました。

次回は、tensorflowのインストールから動作確認までを紹介したいと思います。

おつかれさまでした。

GPU版 tensorflowをセットアップ②(tensorflowと動作確認)

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